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お彼岸に土いじりはダメって本当!?気を付けたいことやマナーを解説

春と秋の年に2回あるお彼岸は、先祖や亡くなった人を偲ぶ大切な行事です。

お墓参りやお仏壇にお供え物をするのが一般的ですよね。

社会人であれば、お彼岸の作法もしっかり身につけておきたいところですが、今さら人には聞けない…という悩みはありませんか?

この記事では、お彼岸にやってはいけないことや気を付けたいマナーなどを丁寧に解説していきますのでぜひ最後まで読んでくださいね。

お彼岸に土いじりはダメって本当!?

お彼岸,土いじり

よく、「お彼岸の期間中に土いじりをしてはいけない」と言われませんでしたか?

実はこれはお彼岸ではなく「土用の期間」に避けた方がいいという言い伝えが誤って広まっているものだったんです!

土用の時期には、土を支配する神様が地中にいると考えられているので、土にまつわる活動全般がタブー。

神様が守っている時期なのでその間に土を掘ると不吉なことが起こると古くから言い伝えられてきました。したがって、お彼岸ではなく、土用の期間には土いじりや草むしり、地鎮祭や新築の基礎工事なども避けた方がよいですね。

土用の期間

1年の中で、季節と季節の間にある18日間のこと。年に4回あり、具体的な日付は年によって異なります。

お彼岸の期間

1年に2回、春と秋にあります。春分の日と秋分の日を中心に、前後3日を含めて7日間です。

初日は「彼岸入り(ひがんいり)」、真ん中にある春分の日・秋分の日は「中日(ちゅうにち)」、そして最終日は「彼岸明け(ひがんあけ)」と呼ばれてます。

具体的な日付は年によって異なります。

 

お彼岸と土用の期間は少し似ているので勘違いしていた方も多いのではないでしょうか。

お彼岸だから土いじりはしてはいけないということはありませんよ。

では、他にお彼岸の期間中にしてはいけないことはあるのでしょうか。ここから詳しく解説していきます。

お彼岸の期間にしてはいけないこと

結論から言うと、お彼岸の期間中、絶対にしてはいけないということは特にありません。

ただ、お墓参りがあるため弔事と同じく身を慎む期間だと考える人もいるようです。

引っ越しや納車などの新しいこと、結婚式などの祝い事を控えるかは家族や親せきの考えを大切にしてくださいね。

また、先祖供養のために親せきで集まるという家庭も多いので、帰省する人も多く、忙しい時期です。

結婚式でも出席が難しくなる人もいますので配慮が必要ですね。

一般的に可能であれば避けた方がよいことはいくつかありますので、以下の点に注意しましょう。

神事

安産祈願や七五三、厄払いなど、神社で行う神事は避けましょう。

お彼岸は、仏教の行事なのでお坊さんが、神事は、神社の神主さんが関わります。

仏を拝む仏事と神事を一緒に行ってはいけないと考える慣習があることからも、神社での行事はお彼岸の期間以外に行うとよいですね。

ただし、歴史的にお彼岸中でもお宮参りは年中行われています。「お彼岸の期間だからお宮参りは縁起が悪い」ということはないようですよ。こちらもご家族と相談の上いつ行うか決めましょう。

納車

お彼岸の期間に新しく購入した自動車を納車することも、特に問題はありません。

ただし、納車時に神社でお祓いを受けようと考えている方は、先ほど解説した通り神事にあたるので参加者への配慮が必要です。

お見舞い

病院へ入院中の方のお見舞いに行くことも、できるだけ避けた方が良いようです。

先祖を供養するお彼岸にお見舞いに行くことが、入院している方にとっては「故人と同等に扱われている」と感じやすいため、慎重に。

若い世代ではこの慣習を知らない人も多く、友人同士では気にしないこともあるでしょう。

年配の方の中には敏感に受け取ってしまう人もいるため、一般的にはお見舞いを控えるのが良いとされています。

 

お彼岸には絶対にしてはいけないことは特にないものの、基本的にはご先祖様を偲び、感謝の気持ちを新たにする時期です。

また、地域や家族・親族の慣習によっては、お祝い事などの行事は全て避けることが望ましいこともあります。

ご家族や親族に参加をお願いする行事は、事前に相談しておくと安心ですね。

今さら聞けない!?お彼岸の過ごし方

お彼岸

例えば、お盆には迎え火を焚いたり、ナスやキュウリを牛や馬に見立てて飾るというようなしきたりがありますよね。

お彼岸はどうでしょうか。実は、お彼岸に特定の儀式は存在しません。

ご先祖様や故人を想いながら、家族でお墓参りに行く、自宅にお仏壇がある場合は普段よりもお仏壇や仏具を綺麗にすることが一般的です。

お寺でもお彼岸の法要が行われ、供養が行われていますね。お彼岸の過ごし方について詳しく見ていきましょう。

お墓参り

お彼岸と言えば、お墓参りに行くという方が一番多いのではないでしょうか。

お彼岸の期間は、冬の冷え込みや夏の暑さの季節が過ぎて、穏やかな気候になります。

ちょうどお墓参りに適した時期なんですね。

お墓参りのタイミングは特に決まっていませんが、お彼岸の中日(春分の日・秋分の日)に訪れるのが最も良いとされています。

昔は、先祖への敬意を示すために、お墓参りには細かい決まり事が多くあり、してはいけないことなどもありました。

ですが、現在ではそこまで厳密に行われていないと思います。

お墓参りの服装や訪れる日時についても基本的に自由とされていますよね。それでも社会人であれば、マナーを守って参加したいところです。

お墓参りに行く際には以下のポイントに注意しましょう。

お墓参りの手順

お墓参りの基本的な流れは、お彼岸以外でも変わらず同じです。

【お墓の清掃→お供え、花立てに供花を立てる→線香を焚き合掌してお参りをする→お供え物を片付け持ち帰る】の4つの手順があります。

服装

特に法要などの正式な場でない限り、服装については普段着でも構いません。

極端にカジュアルすぎるものや露出が多い服は避けましょう。

控えめな色味の服装が好ましいとされています。

お供え物

お彼岸のお供え物として定番なのは、春彼岸の「ぼたもち」、秋彼岸の「おはぎ」です。

これは、春の花「牡丹」が由来のぼたもち、秋の花「萩」が由来のおはぎなので、きちんと理由があるんですよね。

また、故人が生前に好きだったものや、旬の果物もよく選ばれています。

注意点は、派手なデコレーションのものや過度なお供え物はやめましょう。

そのほかにも、動物の肉や魚は生命を奪うことにつながるのでお彼岸にはふさわしくないとされています。

夏の高温時には特に腐りやすいものにも気をつけてくださいね。

最近のお彼岸では食べ物の形をしたローソクも人気があるようです。

お寿司やラーメン、お酒、アイスクリームなど、故人の好みに合ったアイテムが見つかれば、それをお供えするのもおすすめです。

お供え物は、地域や家庭で独自の慣習が多いので迷った時は家族に相談するといいですね。

お供え用のお花「供花」

お彼岸の時期になるとお花屋さんでは、お供え用に仏花が多く売られています。

しかし、供花の種類は特に仏花である必要はありませんよ。

故人が生前、好きだと言っていたお花や、その方にふさわしいお花を選んで供えると良いですね。

色や種類にも特段の決まりはないので、定番の菊やユリだけでなく、季節の花を選ぶのもおすすめです。

一方で、お供えにふさわしくないとされるお花は、トゲや毒のあるものです。

トゲのある花は仏教の教えに反しているため、毒のある花は仏様に毒を供えることになるため、マナー違反となってしまいます。

また、香りが強すぎるお花も控えましょう。

他にも、ユリなどは花粉が墓石に付着するとシミになってしまうので、取り除いてからお供えすることをおすすめします。

ヒガンバナには触らない!

お墓参りで絶対にしてはいけないことが一つだけあります!

それは「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」、別名「彼岸花(ひがんばな)」というお花を持ち帰ることです。

ヒガンバナという別名があるのは、秋のお彼岸の時期に田畑や墓地などでよく見かけるためです。

美しい真っ赤な花に誘われてつい持ち帰りたくなりますが、「ヒガンバナを持ち帰ると家が火事になる」という言い伝えがあるのはご存知ですか?

もちろん、火事になるというのは迷信に過ぎませんが、ヒガンバナを持ち帰ってはいけないというのにはきちんとした理由がありました彼岸花にはアルカロイドと呼ばれる毒が含まれており、「毒花」「しびれ花」などとも呼ばれています。

毒性の強いお花ですので、決して触らずに見るだけにしましょうね。

お仏壇の掃除・お参り

お彼岸には、お墓参りだけでなく、親戚が集まって仏壇にお参りすることもあります。

ご自宅に仏壇がある場合は、お参りの前に仏壇、仏具をいつもより丁寧に掃除しましょう。

掃除の手順は、最初に飾られた仏具を取り外し、仏壇の全体のほこりを払います。

それから乾いた柔らかい布で拭き上げて、仏具を元に戻すという流れが基本です。

仏壇がきれいになったらお供え物をして、手を合わせてお参りをしてくださいね。

お寺での法要

お彼岸の期間には、多くのお寺でお彼岸の法要が執り行われます。

「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる法要で、お寺で複数の家庭合同で執り行われます。

一般的な彼岸会では、僧侶による読経や参列者が焼香をします。

自身の先祖だけでなく、極楽浄土すべての諸仏に祈りを捧げ、悟りの境地に導いてくれるという法要なんですよ。

お寺での法要に出席する場合は、僧侶へのお礼としてお布施を包みます。

お布施の金額は3,000円~1万円程度を目安にしましょう。

ただし、寺院によってはお彼岸法要の参加が予約制である場合や、参列者なしで僧侶のみが執り行うお寺もありますので、必ずお寺へお問い合わせくださいね。

また、自宅へ僧侶を招いて個別法要を行うこともあります。

こちらも必ずお礼にお布施を渡しましょう。

個別法要のお布施は3万円〜5万円程度にプラスして、お車代(交通費)の5,000円~1万円程度が一般的な金額です。

渡し方のマナー

お金はそのまま渡さず、必ず奉書紙(ほうしょし)もしくは無地の白封筒に収め、表には「お布施」または「御布施」と書きましょう。

お布施を持ち歩くときは、袱紗(ふくさ)と呼ばれる布でくるむのが正しいマナーですのでこちらも用意しておきます。

渡す際に袱紗から取り出してくださいね。

 

お彼岸に土いじりはダメって本当!?まとめ

「お彼岸に土いじりはダメ?」という話はお彼岸ではなく「土用の期間」に避けた方がいいという言い伝えが誤って広まっているものでした。

土用の時期には、土を支配する神様が地中にいると考えられているので、土にまつわる活動全般がタブーなんですよ。

 

春と秋の年に2回、ご先祖さまや亡くなった方を思い出しながら過ごすお彼岸。

この時期に避けた方が良いこともいくつかありますが、肝心なのはその期間を通じてご先祖様との繋がりを感じることです。

最低限押さえておきたいポイントも解説しましたので、お彼岸を迎えた時にこの記事が役に立てば嬉しいです。最後までお読みくださりありがとうございます。

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