チョコレートは基本的に腐ることはありません。
チョコレートは砂糖が多く含まれるうえに、水分がほとんど含まれていないので腐らないんですよね。
腐らないチョコレートも時間と共に劣化して、風味や見た目が悪くなるんです。
生チョコなど種類によっては腐ったり、カビが生えたりするものもあります。
なので、チョコレートの種類によって適切に保存することが大切なんですよ。
パティシエである私が、本文で詳しく解説しますね。
この記事では、チョコレートが腐らない理由のほか、適切な保存方法を紹介しています。
食べても美味しくないチョコレートの見た目についてもまとめていますよ。
パティシエの経験で培ったチョコレートを美味しく食べられる保存方法を解説していますので、ぜひご覧ください。
チョコレートは基本的に腐りません。
チョコレートには30~45%の砂糖が含まれているんですよね。
さらに、チョコレートにはほとんど水が含まれていないんです。
水分が少ない環境では細菌は繁殖を抑えることができるうえ、高濃度の砂糖には防腐効果があるんですよ。
食品が腐る原因は細菌の増殖なんですよね。
チョコレートには細菌の増殖を抑える環境が揃っているんです。
例外は生チョコ
チョコレートはまず腐らないと説明しましたが、例外もあるんです。
それは水分が多いチョコレートなんです。
例えば、以下のチョコレートは水分が多いチョコレートなんですよ。
- 生チョコ
- ボンボンショコラ
- トリュフ
生チョコは水分含量が多いので腐るリスクが高まります。
スーパーで売っているロッテや明治のチョコレートの賞味期限は9ヶ月とか10ヶ月ありますが、ロイズの生チョコの賞味期限は1ヶ月なんですよね。
賞味期限は消費期限ではないとはいえ、生チョコはあまり保存がきかないんです。
生チョコ以外にもボンボンショコラやトリュフといった生クリームを使用しているチョコレートは水分量が多く腐りやすいので気をつけてくださいね。
フルーツなど生ものを使ったチョコレートの場合、チョコレートの以外から傷むので長期間の保存は難しいんですよ。
チョコビスケットもビスケットが湿気たり、カビが生えたりしてチョコレート以外の部分から傷んでいくので長期保存はできないんですよね。
チョコレートは腐らないけど…
チョコレートは基本的に腐ることはありません。
しかし、カビが生えることがあるんです。
カビが生える原因はチョコレートが結露すること。
食べかけのチョコレートを密閉せずに保存しているとチョコレートが結露してしまうことがあるんです。
結露した水にカビが生えることがあるんです。
他にもチョコレートは臭いを吸収しやすいんですよね。
例え味が変わらなくてもチョコレートに他の食べ物の臭いが移ってしまうと、美味しいとは感じられないこともありますよね。
チョコレートが劣化するとどうなるのか
チョコレートは基本的に腐りませんが、劣化します。
劣化したチョコレートは風味が落ちたり、見た目が変わってしまうんですよね。
ここからはチョコレートが劣化する原因と、劣化したチョコレートはどうなるのか紹介していきますね。
表面が白っぽくなる
劣化したチョコレートの特徴は表面が白くなってしまうことなんです。
白くなってしまう原因は高温と多湿で「ファットブルーム現象」「シュガーブルーム現象」と呼ばれています。
ファットブルーム現象とは
チョコレートは高温に弱く、28℃前後になると溶けて変形してしまうんですよね。
チョコレートが溶けた後、再び冷えて固まってもチョコレートに含まれるココアバターが白く固まってしまうんですよね。
白く固まったココアバターが表面ににじみ出てきて、チョコレート表面が白くなってしまうんです。
シュガーブルーム現象とは
チョコレートを湿気の多い場所に保管したり、冷えたチョコレートを急に暖かい場所に出したりすると、チョコレート表面に水滴が付くことがあります。
発生した水滴にチョコレートの砂糖が溶け出してしまうんですよね。
その後水分が蒸発すると砂糖が結晶化してチョコレートの表面が白くなってしまうんです。
(シュガーブルーム現象と言います)
表面が白いチョコレートも成分に変化はないけれど…
どちらの現象が起こってもチョコレートの成分としては変わりません。
しかし、チョコレートの品質は変わってしまうんですよ。
一度溶けて変質してしまったチョコレートはザラっとした舌触りで口どけが悪くなってしまうんです。
溶けて変形してしまったチョコレートは、お菓子作りに使おうと思っても溶けにくくなっていて扱いにくくなっているので気をつけてくださいね。
溶けにくくなったチョコレートの再生方法
溶けにくくなったチョコレートは少量のカカオバターを混ぜると溶けやすくなりますよ。
カカオバターが無い場合は、サラダ油でも代用できます。
チョコレートが溶けて変形してしまったチョコレートでお菓子作りするときには試してみてくださいね。
チョコレートの保存方法を紹介
チョコレートは腐ることはないけど、劣化することを紹介しました。
チョコレートは高温と急激な温度変化に弱いんですよね。
ですから、チョコレートに最適な条件で保存することで少しでも長く品質を維持することが大切なんです。
ここからは、チョコレートの保存方法について紹介していきますね。
チョコレートは常温保存が基本です。
チョコレートを常温保存するときに気を付ける点は以下の通りです。
- 28℃以下の涼しい場所で保管する
- 湿気の少ない場所で保管する
- 日が当たらない場所で保管する
チョコレートにとって最適な温度は15~22℃と言われているんです。
高温になるとチョコレートが溶けてしまいますし、湿気の多い場所はチョコレート表面が結露する原因になります。
チョコレートが溶けてしまったり、結露してしまったりすると表面が白くなって劣化してしまうことは先ほど紹介しましたね。
ですから、常温保存とは言っても夏場は冷蔵保存の方がチョコレートの劣化を防ぐことができますよ。
冷蔵保存の方法についてはこの後 説明しますね。
チョコレートを冷蔵保存する方法
チョコレートは高温多湿が苦手なら、常に冷蔵保存すればいいのではないかと思いますよね。
実はチョコレートは低温にも弱いんですよ。
チョコレートは低温で保存しておくと、口どけが悪くなってしまうんですよね。
チョコレートが口の中でとろける様な食感が失われてしまうんです。
ですから、チョコレートを冷蔵保存するなら室温が高くて暑い、長期間食べないなどやむを得ない場合に限ることをオススメします。
チョコレートは常温保存が基本ですが、冷蔵保存することもできるんです。
チョコレートを冷蔵保存する際に気を付ける点は以下の通りです。
- 密閉して保存する
- 野菜室にて保存する
- 室温に戻してから食べる
チョコレートを冷蔵保存する場合、他の食べ物から臭いが移らない様に密閉した保存袋などに入れて下さいね。
さらに、冷蔵する場所は野菜室がオススメなんです。
野菜室は冷蔵庫中でも温度がやや高めに設定されているんですよね。
室温との温度差を少しでも小さくするためにチョコレートは野菜室に保存してくださいね。
冷蔵保存したチョコレートを食べるときは、室温に戻してから食べてくださいね。
15~30分程度室温に戻すと、チョコレート本来の美味しさを取り戻していますよ。
冷蔵したチョコレートが1回では食べきれない場合は、食べる分だけ取り出してくださいね。
残りのチョコレートの劣化を防ぐことができますよ。
生チョコなど腐りやすいチョコは冷凍保存がオススメ
生チョコなど生クリームを使っていて水分が多いチョコレートは腐りやすいので冷凍保存がオススメなんです。
生チョコも臭い移りを防ぐために密閉された袋や容器に入れてくださいね。
生チョコは柔らかくて、生チョコ同士がくっついてしまいそうですよね。
でも生チョコにはココアパウダーが付いているので生チョコ同士はくっつきにくいんです。
ですから、2段にして保存したい場合でも、間にクッキングシートなんかを挟まなくれも保存できますよ。
生チョコは常温保存できないと考えて、もらったすぎに冷蔵庫で保存してくださいね。
ただ、冷蔵保存だと長くても1週間くらいしか保存できないんです。
保存状態の悪かった生チョコを食べて腹痛を起こした話をチラホラ聞きます。
冷蔵とはいえ1週間以上保存した生チョコは食べないでくださいね。
冷凍保存なら1ヶ月程度は生チョコを保存することができますから、すぐに食べきれないと思ったら冷凍保存をオススメします。
冷凍したチョコレートの解凍方法
冷凍した生チョコを美味しく食べるために大切なのは解凍方法なんですよね。
冷凍した生チョコはいきなり常温で解凍せずに、一旦冷蔵庫に入れて解凍してくださいね。
食べる30分ほど前に常温に戻すのが美味しく食べるコツなんです。
特に周りがチョコレートで覆われているトリュフチョコなどは、いきなり常温で解凍すると白く変色してしまうことがあるんです。
フォンダンショコラやショコラテリーヌも同じように冷凍保存することができますよ。
解凍する際は生チョコと同じく、一旦冷蔵庫で解凍してくださいね。
チョコレートの保存期間の目安
ここまで、チョコレートの保存方法を紹介しました。
チョコレートは基本的に腐ることはないと紹介しましたが、生チョコの様に例外もあります。
では、手作りチョコレートはどの程度保存できるのか。
気になりますよね。
食品容器メーカーの「天満紙器株式会社」が手作りのチョコレートの賞味期限を紹介していたので、引用しますね。
生チョコやトリュフ | 賞味期限2~4日(冷蔵保存) |
型抜きチョコ | 賞味期限4~5日(冷蔵保存) |
チョコレートクッキー | 賞味期限3~4日(常温保存) |
チョコマフィン | 賞味期限3日程度(常温保存) |
ガトーショコラ・ブラウニー | 賞味期限4~5日(冷蔵保存) |
シフォンケーキ | 賞味期限4日程度(冷蔵保存) |
パウンドケーキ | 賞味期限7日程度(常温保存) |
(引用:天満紙器株式会社「手作りチョコの日持ちは何日?手作りトリュフや焼き菓子の賞味期限や保存方法」
手作りのチョコレートやチョコレートスイーツは賞味期限が短いんですね。
手作りのチョコレートやスイーツをいただいたら、保存することはあまり考えずに早めに食べてくださいね。
また、手作りのチョコレートをプレゼントするなら、渡す日から賞味期限を逆算して作ることが大切ですよ。
今回紹介した賞味期限あくまでの目安です。
参考程度に考えてくださいね。
市販されているチョコレートの賞味期限
手作りのチョコレートはすぐに食べた方がいいことを紹介しました。
市販のチョコレートをもらった場合はどうなのか。
HPで賞味期限を公開している様々なメーカーのチョコレートの賞味期限を調べてみました。
自宅でチョコレートを保存する際の参考にしてくださいね。
メーカー | 品名 | 保存条件 | 賞味期限 |
江崎グリコ | ポッキーチョコレート | 常温 | 製造日から12ヵ月 |
江崎グリコ | アーモンドピーク | 常温 | 製造日から9ヵ月 |
ROYCE | ロイズアロマティックカカオ | 常温 | 3ヶ月 |
ROYCE | 生チョコレート | 冷蔵(10℃以下) | 1ヶ月 |
LE CHOCOLAT DE H(ル ショコラ ドゥ アッシュ) | タブレットショコラ | 常温(19℃以下) | 30日間 |
LE CHOCOLAT DE H(ル ショコラ ドゥ アッシュ) | ボンボンショコラ | 常温(19℃以下) | 14日間 |
GODIVA | カレ アソートメント | 常温(15~18℃) | 1ヶ月程度 |
スーパーやコンビニで買えるチョコレートの賞味期限をHPで確認できたのは江崎グリコのチョコレートのみでした。
ロッテや明治、森永製菓のチョコレートはHP上で賞味期限が確認できなかったのは意外でしたね。
スーパーで現物を見たところ賞味期限は、製造日から12ヵ月の様です。
市販の板チョコレートは常温でも製造日から12ヵ月は保存できるんですよ。
有名なチョコレートのお店では賞味期限を短く設定しているようでしたね。
バレンタインデーやお土産で高級なチョコレートをもらったなら、なるべく早く食べてくださいね。
きっと有名店のチョコレートも賞味期限以上に保存できますが、作り手が美味しく食べてもらえるよう設定した賞味期限ですよ。
ROYCEでは生チョコレートの賞味期限を通常のチョコレートよりも短く設定していました。
このことからも生チョコレートは長期間保存できないことが分かりますね。
チョコレートは腐るのか まとめ
チョコレートは腐るのかについて解説しました。
基本的にチョコレートは腐ることはありません。
チョコレートは水分含量が少ないことや、砂糖が大量に使われているために、細菌が増殖しにくいんです。
チョコレートと違って、水分含量が多い生チョコは腐るリスクが高いので気をつけてくださいね。
チョコレートは腐ることはないんですけど、劣化することはあります。
チョコレートが高温で溶けてしまったり、急激な温度変化で結露することで劣化してしまうんですよね。
劣化したチョコレートは表面が白くなってしまうんです。
これはチョコレートの成分であるカカオバターや砂糖が溶けだしたものなんですよ。
チョコレートの成分としては変化がないんですけど、口どけが悪くなってしまうんです。
表面が白くなったチョコレートはお菓子作りに使う際も溶けにくくなってしまうので、保存条件に気を付けてくださいね。
チョコレートの保存は基本的に常温保存です。
ですが、生チョコの様に冷凍保存がオススメの場合もあります。
チョコの種類によって常温、冷蔵、冷凍保存はうまく使い分けてくださいね。
生チョコをはじめ、手作りのチョコレートは賞味期限が長くても1週間程度なんです。
手作りのチョコレートをもらった早めに食べてくださいね。
チョコレートを手作りする場合は、渡す日から賞味期限を逆算して作ることが大切ですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。