毎年、5月や10月に開催される運動会。
楽しみにしている子もいれば、ちょっと憂鬱になっちゃう子もいますよね。
やりたくない子もいるのになぜ運動会をやるんでしょう?
子どもに聞かれて困っちゃうこともありますよね。
運動会をなぜやるのか…
一言で説明するなら「学習指導要領の記載を満たす行事だから」。
この答えじゃ 子供への説明にならない?
子どもに分かりやすく説明するなら、運動会も学びの場なんですよね。
では運動会で学べることって何?
運動会を通じて学ぶことは以下の通りです。
- 運動の楽しさ
- 人との関り
- 集団行動
- 責任感
一言では書き表せないので、詳しく紹介しますね。
この記事では、運動会をやる理由のほか、運動会の歴史や、日本と海外の運動会の違いを紹介しています。
この記事を読めば、日本の運動会の成り立ちや運動会をなぜやるのか知ることができます。
あなたの子どもに運動会をやる意味を伝えてあげることができますよ!
運動会ってなぜやるの? 学習指導要領の記載を満たす行事だから
学習指導要領の特別活動・学校行事「健康安全・体育的行事」には下記の記述があります。
心身の健全な発達や健康の保持増進,事件や事故,災害等から身を守る
安全な行動や規律ある集団行動の体得,運動に親しむ態度の育成,責任感
や連帯感の涵養,体力の向上などに資するようにすること
(引用:小学校学習指導要領(平成29年告示)
簡単に言うと「心身の健康を増進できて、集団行動を学べて、運動に親しんだり、責任感や連帯感を学べて体力が向上する」特別活動をしましょうねってことです。
この記載を満たす行事に運動会がぴったりと言うわけなんです。
学習指導要領に従って開催する運動会は、学びの場であるんですね。
では何を学べるのか、以下に解説しますね。
運動会ってなぜやるの? 運動会を通じて学べること
運動会通じて学べることは「運動の楽しさ」「人との関り」「集団行動」「責任感」などがあります。
1つ1つを詳しく解説していきますね。
運動の楽しさ
運動会はその名の通り、運動の楽しさを学ぶ場なんです。
運動が得意な子どもがさらに運動が好きになることはもちろん、運動が苦手な子どもも楽しさを知る場なんですね。
運動が苦手が子どもは、かけっこに負けたり、失敗したり楽しさを知る機会がないんじゃない?と思いますよね。
でも、比べる相手は他の子どもじゃなくて、過去の自分。
去年より速く走れた! 去年よりうまくダンスができた!
過去の自分より成長していることを感じて、運動の楽しさを知る場なんです。
運動会が終わって子どもから「楽しかった!」と聞ければ大成功ですね!
人との関り
運動会は人との関わりを学ぶ場でもあります。
子どもにはありがちですが、勝って相手を「弱っ」とバカにしたり、負けて「ズルされたから負けた」と嫌味を言ったり。
これではスポーツを通じて友情をはぐくむどころか、険悪になってしまいますよね。
勝つことも大切ですが、お互いの健闘をたたえ合う気持ちを学ぶ場なんです。
もちろんフェアプレーも人との関りで大切になります。
ズルされて負けちゃったら、健闘をたたえ合う気持ちになんてなれないですよね。
正々堂々と勝負したうえでの勝利にこそ価値があることを学ぶ場でもあるんです。
チーム単位で取り組むリレーや綱引きなど、人と協力して達成する競技もありますよね。
チームメイトなど仲間と頑張ることで団結力や連帯感を学んでいるんです!
応援合戦もみんなで声を出し、体を動かすことでチームの一員であるという自覚と誇りを持つ意味あいがあるんですよ!
集団行動
運動会は集団行動を学ぶ場でもあります。
運動会って練習の時から集団行動の連続です。
集合時間を守ったり、全員で駆け足で素早く移動したり。
普段生活していて集団行動の必要性を感じていないかもしれませんが、それは無意識に集団行動しているから。
電車に乗るために列を作るのも、エスカレーターで片側を空けて乗るのも集団行動です。
集団行動をするためには協調性が必要ですよね。
協調性を身に着けるために、学校生活や運動会を通じて集団行動を学んでいるんです。
責任感
運動会は責任感を学ぶ場でもあります。
例えば小学校の場合、高学年になると運動会の運営にも携わる様になります。
下級生を誘導したり、司会進行したり。
与えられた仕事を達成することで責任感や自尊感情を学んでいるんです。
「6年生になって急に成長した」なんて話をよく聞きますが、それって運動会だけじゃなく学校生活で責任感を学んでいるからこその成長なんですね。
運動会ってなぜやるの? 運動会の歴史
運動会が教育の一環として行われるようになったのは、日本独特な運動会の歴史が関係しているんです。
海外ではスポーツを楽しむことに主眼が置かれているんですけど、日本の運動会は教育の面が強いんですよね。
日本の運動会の歴史を簡単に振り返ってみますね!
日本で最初の運動会
日本で最初に行われた運動会は1874年に海軍兵学寮で行われた競闘遊戯会と言われています。
当時の海軍兵学寮って勉強ばかりだったんですよね。
スポーツするって概念が無かったんです。
学生たちのストレス発散のために運動することをイギリス海軍の顧問団団長に推奨されたんです。
運動を推奨されたことがきっかけで最初の運動会は開催されました。
最初の運動会は学生たちのストレス発散のために開催されたんですね!
参考情報
1868年に幕府の横須賀製鉄所のおいて行われたものが最初の運動会とする説もあります。
1868年といえば明治が始まった年。
幕末の激動の時代に最初の運動会が行われたのかもしれませんね!
日本独自の運動会が生まれた経緯
海軍兵学寮で始まった運動会は徐々に全国へと広がりを見せました。
その後、初代文部大臣の森有礼(もり ありのり)によって全国の学校で運動会を行う様に広められたんです。
明治末期の頃です。
当時の運動会の目的は「国威発揚」「富国強兵」「健康増進」でした。
「健康増進」以外の2つの言葉は聞き慣れない言葉かもしれません。
「国威発揚(こくいはつよう)」とは「国家が国の力を対外的にアピールすること」
「富国強兵(ふこくきょうへい)」は文字通り「国を豊かにして兵力を増強すること」
軍事的な力を対外的に見せることができるくらいに、国を豊かにして軍備を増強する時代だったんですね。
「気を付け」「前へならえ」「全体前へ進め」などは兵式体操の名残なんです。
日本独自の運動会といいましたが、過去に日本統治を経験した韓国や台湾、中国の一部地域では日本時代の名残で運動会が残っているんですよ。
現在の日本の運動会が教育の面が強いのは、運動会を通じて国家を発展させようとした政府の方針によるものなんです!
おまけ 日本と海外の運動会ってこんなに違う!
日本の運動会は教育の一環であること解説してきました。
実は海外では日本の様に教育として捉えられていないんですよね。
日本と海外の運動会の違いを紹介しますね!
日本と海外で「運動会」ってこんなに違う!
日本の運動会って教育の一環なんですけど、海外は違うんですよね。
例えばアメリカ。
アメリカには日本の運動会にあたる行事として「Field day」と呼ばれるイベントがあります。
文字通り運動場へ出て体を動かすことを楽しむイベントなんです。
整列や行進はなし。
そもそも自由参加。
参加したい子どもだけがサッカーボールを蹴ったり、フリースローしたりと好きな運動を楽しむんです。
日本の休み時間の光景に近い過ごし方ですね。
先生が生徒にアイスを配るなどお祭りの様なイベントなんですよ。
日本と海外で「体育」もこんなに違う!
日本の体育では体操服を着用しますが、海外の多くの国では動きやすい恰好であればなんでもOKです。
そもそも海外では体育館や運動場がない学校も多いので、体育の授業がない国だってるんですよ。
日本の体育では運動テストやマラソン、平均台や跳び箱などの器械体操と様々な授業がありますよね?
アメリカやシンガポールなんかでは球技中心で、勉強の息抜きやレクリエーションという色合いが強いんです。
中国に至っては、スポーツは選抜に勝ち抜いたエリートが受けられるものと言う位置づけになっているため、体育会系の部活動さえありません。
日本では体育も運動会も教育の一環なんですけど、海外では息抜きやレクリエーションだったり、エリートのためのものだったりと必ずしも教育の一環というわけではないんですね。
まとめ
なぜ運動会をやるのか?
一言で説明するなら「学習指導要領の記載をみたす行事だから」。
運動会も学びの場なんです。
運動会を通じて学ぶことは以下の通りです。
- 運動の楽しさ
- 人との関り
- 集団行動
- 責任感
運動会が学びの場として捉えられているのは日本独特の文化ですね。
日本が軍国主義だったころの名残で「気を付け」「前へならえ」「全体前へ進め」といった軍隊的な行動が運動会に残っているんです。
あなたの子どもに運動会のなぜやるのか聞かれたときに、歴史の勉強を兼ねて説明してみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。